[日本] おいしいラーメン屋
おいしいラーメン屋
そこはいつもお客さんが並んでいる人気のラーメン屋で、営業はいつも盛況だった。その店のラーメンは...
ラーメンには化学調味料がたっぷり使われ、豚脂がほぼ1cmに渡って膜を作り、浮かんでいる。そのおかげで、冬でもラーメンから湯気は上がらない。熱い湯気はその豚脂の膜に遮られているからだ。
常連客たちはニンニクや胡椒を汗を流しながらたっぷりかけて、ズルズルとラーメンを食べていく。
店主のおじさんは、少し顔色が悪い常連客を見かけると、よく記念写真を撮っていた。店の壁にはピンで止められたポラロイド写真が50枚ほど貼ってあった。
「写真に写ってる奴らは今、みんな死んだ奴らだよ」とおじさんは言った。
「この人は最近、肝臓が悪くなって死んだんだ。そしてあそこに写ってるお客さんは、入院してたけど病院から抜け出してラーメンを食べに来た。もうすぐあの世に行くんじゃないかな。週に4、5回もこんなにカロリー高くて、高タンパク、高ナトリウム、化学調味料だらけのラーメンを食べ続けてるんだから… お尻から豚脂が垂れ流れてるんじゃないかって不思議なぐらいだよ。肝脂肪が診断されたり、体に湿疹が出始めているのに、まったく飽きずに食べに来る。だから写真を撮るんだ。でも、これが全部ってわけじゃない。俺が知らないうちに死んでる奴もたくさんいるだろうな。」
おじさんは続けた。
「でも、このレベルで体に悪い料理を作らなければ売れないんだ。せっかく良い材料を使っていい料理を作っても、刺激的じゃなければ売れないんだ。健康にも良くて、美味しい料理を目指したこともあるけど、そうしたら店が成り立たない。結局、体には毒で、口にだけ良い料理じゃなきゃ、誰も覚えてくれないんだ。おかしな話だよ。金を払って毒を食べてるのに、どうしろっていうんだ。」
おじさんは煙草を指でつぶしながら、ぼそっと呟いた。
「外食でも、ラーメンはなるべく食べない方がいい。」